体外受精・顕微授精

体外受精について

ウィメンズクリニック本町|体外受精・顕微授精

受精卵を子宮に戻し着床させる

体外受精とは、卵管の中での過程を体外で行う操作のことです。排卵誘発剤を投与して、女性から数個の卵子を採取して精子と合わせます。卵子は受精した後、細胞分裂を始めて胚(受精卵)になりますが、この胚を通常2〜5日後に子宮に戻し、着床させます。着床から出産にいたる過程は、通常の妊娠と同じです。

受精の流れ

調節卵巣刺激

通常、自然の生理周期では卵胞は1つしか発育しないため、卵子は1つしか排卵されません。
内服薬や注射の排卵誘発剤を使用して卵胞を刺激することによって複数の卵胞を発育させることができ、
これにより1回の採卵で複数の卵子を採取することが可能になります。
排卵誘発法は、自然の月経周期の卵胞発育に合わせて採卵の日程が決まる方法(自然周期法)や、
自分自身のホルモンを抑制し、個人のホルモン値や年齢に合わせて卵巣刺激を行う方法(Long法、Short法、アンタゴニスト法、フレンドリー法)などがあります。
ご夫婦の希望と卵巣の反応性によって、相談の上で最適な治療法を決定していきます。
おおよその目安として、月経が開始してから採卵が決定するまでの期間は10~14日間で、その間の来院日数は3~4回程度です。
遠方の患者さんは地域の先生と連携して診察していただき、来院回数を減らすことが可能な場合があります。

採卵

採卵は通常は朝に行います。経膣エコーで卵胞をみながら細い針(20G)で1つ1つ刺して卵子を吸引します。
麻酔は局所麻酔もしくは静脈麻酔です。局所麻酔の場合は、穿刺を行う部位にキシロカインを注射にて十分に浸潤させます。
静脈麻酔の場合は投与後すぐに鎮静(眠った)状態となります。
発育卵胞数によって大きく異なりますが、採卵時間は通常であれば3~15分以内です。
麻酔をかける場合があるため、採卵当日は朝から絶飲食としてください。採卵後30分は卵巣出血などの副作用防止の為、
ベッド上安静となります。安静時間終了後、診察を行います。
ごく稀に出血や感染などの合併症があります。外来で処方された抗生物質とホルモン剤を採卵後から服用していただき、
採卵当日は激しい運動や入浴は避けてください。

媒精・精子の調整

採卵後、穿刺して吸引した卵胞液中に卵子が含まれているかを、培養士が顕微鏡下に確認します。
確認された卵子は、培養液へ移され、至適環境下で数時間前培養されます。
精子はスイムアップ法という方法で良好な運動精子のみを集めます。
調整した精子を卵子の存在する培養液内に一定の割合で注入(媒精)し、その18~20時間後に顕微鏡下に
正常受精の有無を確認します。

顕微授精について

卵子1個に対し精子1個あれば
受精が可能

通常の体外受精・胚移植の場合、受精するためには卵子1個に対して10万個程度の運動精子が必要です。したがって、体外受精・胚移植を行っても、運動精子の数が少ないご夫婦が妊娠することは極めて難しいということになります。しかし顕微授精では、理論上卵子1個に対して精子1個だけあれば受精が可能となります。

このため、非常に精子が少ない方や通常の体外受精・胚移植では受精できない方などが良い適応となります。 顕微授精では精子に必要な処置を加えた後で、顕微鏡で精子の状態を確認します。形態が正常で良好な運動精子を、特殊な顕微鏡下にマイクロマニピュレーターを用いて、精子を極めて細い針内に吸引し、特殊なピペットで固定された成熟卵子の細胞質内に穿刺して、吸引した精子を注入します。受精の確認は顕微授精を実施してから18~20時間後に行います。

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